距離の三公理って知ってますか?
aとbの距離を d(a,b)としたときに、
第1公理
・d(a,a)=0 a≠bのとき d(a,b)>0
第2公理
・d(a,b)=d(b,a)
第3公理
・d(a,b)+d(b,c)≦d(a,c)
幾何的な距離(点間の長さ)からすると直感的なこの3公理は
他の場面でも成立します。それらは距離と呼ばれます。
情報工学で有名な距離は「ハミング距離」と呼ばれるものです。
これは、二つの情報列があったときに、「異なるところの数」を距離としたものです。
たとえば、2進系列a,b,cが以下のようだとします。
・a=10101010
・b=11001100
・c=11101110
このとき、
d(a,b)=4
d(b,c)=2
d(c,a)=2
です。
これらは距離の3公理を満たします。
さて、人間関係で「距離を感じる」とかいいますが、これが数学的に距離であるかどうかを考えて見ましょう。
第1公理について
・自分自身を距離0に感じるか。
これを、アプリオリに0としていいのかどうかは疑問が残るところです。
「自分がいやになる」状況は距離0とは言いがたいです。
・他人の距離は0より大きいか。
恋人同士で距離0のように感じる可能性はありますが(物理的にも)
たぶん、それは距離0じゃないと思う。
他人をそこまで信用するのもどうか(w
第2公理について
・自分から相手の距離と相手から自分の距離は等しいか
残念ながらそうじゃないケースが多いからこそいろいろ人間関係の
トラブルが起きるんじゃないかと思います。
典型的には詐欺のケースがあげられると思います。
第3公理について
・共通の友人がいるけどお互いの距離はその合計より小さいか
そもそも、加算の演算が成立するかというところにも疑問がなくはないんですが、
共通の友人がそれぞれと仲がよいにもかかわらず、当人同士は
仲が悪いという人間関係は結構あると思います。
というわけで、どの公理も満たさないので、
今後人間関係に距離という言葉を使わないようにしましょう。
